金属表面におけるAuの拡散と成長
Auは不活性であることが知られている.
図1のようにAu表面には水素分子が解離吸着しないことが知られている.
しかしIr(111)表面に作成したAu薄膜には水素分子が解離吸着することが報告された[1].
一方,Pt(111)表面に作成したAu薄膜には水素分子は解離吸着しないことが明らかになった[2].
しかしこの基板に依存したAuの反応性の理由は明らかにされておらず
反応性に大きく寄与すると考えられるAu薄膜の構造も
Ir(111), Pt(111)表面においては調べられていなかった.
本研究ではその構造を走査トンネル顕微鏡(STM)により測定し,
島の密度,島の形状,成長モードに注目して
薄膜の構造とその形成機構を明らかにすることを目的とした.
さらにモンテカルロシミュレーションを開発して実験結果と比較することにより
構造を決めている拡散過程を明らかにする.